連載コラムシネマセラピー
私たちの身近にある映画、ドラマ、CMなどの映像作品(シネマ)のご紹介を通して、コミュニケーション、メンタルヘルス、セクシャリティを見つめ直し、心の癒し(セラピー)をご提供します。
私たちの身近にある映画、ドラマ、CMなどの映像作品(シネマ)のご紹介を通して、コミュニケーション、メンタルヘルス、セクシャリティを見つめ直し、心の癒し(セラピー)をご提供します。
子育てとは、最終的に、子どもが「こうしたい」「こうなりたい」と自分で考える能力を育むことです。そして、その能力を十分に発揮できているのが、大人であると言えるでしょう。そう考えると、子育てのゴールとは、子どもが親の言う通りに生きるようになることではないでしょう。それは、子どもが親に言われなくても生きていけることでしょう。
進化論的には、動物が子孫を残すために必要なことは、生存と生殖の2つです。ただし、人類を初めとする社会的動物の霊長類は、もう1つ必要なものがあります。それが、子育てです。これがないと、生存も生殖もできずに、子孫は残せません。さらに、人類ならではなのが、子育てを文化として世代から世代へ受け継ぐことです。そういう意味では、子育てとは、第2の遺伝子であるとも言えるでしょう。
のび太はドラえもんのひみつ道具を通して成長し、やがてしずかちゃんと結婚するという夢を叶えます。それと同じように、私たちも3つのひみつ道具の発想を使うことで、子どもが夢を持ち、より豊かな人生を歩んでいくサポートができるのではないでしょうか?
さらには、3つのひみつ道具の発想は、子どものメンタルヘルスだけでなく、思春期を過ぎた私たち大人のメンタルヘルスにも生かせることが、もちろんできます。つまり、私たち自身も子どもたちと同じように、夢を持ち、より豊かな子育て、そしてより豊かな人生を歩んでいくことです。そんな私たちの背中を見せることも、思春期の子どもへのより良いかかわり方であると言えるのではないでしょうか?
1)ドラえもん最新ひみつ道具大辞典:藤子F・不二雄、小学館、2008
2) 家族進化論:山極寿一、東京大学出版会、2012
3)解決志向ブリーフセラピー:森俊夫、黒澤幸子、ほんの森出版、2002
4)タイムマシン心理療法:黒沢幸子、日本評論社、2008