連載コラムシネマセラピー
私たちの身近にある映画、ドラマ、CMなどの映像作品(シネマ)のご紹介を通して、コミュニケーション、メンタルヘルス、セクシャリティを見つめ直し、心の癒し(セラピー)をご提供します。
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浦島太郎とは、昔話でありファンタジーであり伝説でありそしてもともと史実であったことが分かりました。これらはまとめて伝承と呼ばれます。そして、伝承される内容は、その時代のその社会(文化)によって、より適応的な意味づけや解釈がされ、変化していくことが分かります。これは、伝承の心理と呼べるでしょう。先ほどの陰謀論にしても、それは丹後国の視点です。大和政権の視点からは、浦島太郎の新たな伝承が、当時の社会をまとめていくイデオロギーとして機能していたわけです。
妖怪の言い伝えにしても、例えば「座敷わらし」は実は認知症の症状であったり、「一目小僧」は奇形児の特徴であったりと、単なる作り話ではなく、精神障害や身体障害を含む人間の生き様から由来していることが分かります。なお、座敷わらしの起源の詳細については、以下の記事をご覧ください。
そして、進化心理学的に考えれば、人類がそもそも伝承を好む理由は、その社会(集団)の生存と生殖の適応度を上げるためです。原始の時代から、私たちは毎晩キャンプファイヤーを囲んで、集まった部族の誰かの話に耳を傾けてきました。その適応行動が、現代ではテレビなどのメディアを見ることに取って代わっただけです。この起源の詳細については、伝承を噂話に言い換えた以下の記事をご覧ください。