連載コラムシネマセラピー
私たちの身近にある映画、ドラマ、CMなどの映像作品(シネマ)のご紹介を通して、コミュニケーション、メンタルヘルス、セクシャリティを見つめ直し、心の癒し(セラピー)をご提供します。
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お化けを怖がる起源とは、目の前にいないものを認識する→目の前にいないものの意図を考える→目の前にいないものを怖がり怖がらせることであることが分かりました。そして、心の進化において、お化けを怖がることと抽象的思考(概念化)には密接な関係があることも分かりました。これを踏まえて、どう子どもにお化けを怖がらせればいいでしょうか?
それは、やはり子どもに読み聞かせをするたびに、怖がることをいっしょに楽しむでしょう。そうすることで、人類の心が進化していったのと同じように、子どもの心がより豊かに発達していきます。これは、サンタクロースを信じることにも通じます。
「ねないこだれだ」のお化け本のシリーズには、怖そうでありながら、同時に友達になれそうな親近感のあるかわいらしいお化けがたくさん出てきます。よくよく見ると、実は子どもと同じ身長と体型です。これこそこの本が、子どもに「怖いけど、好き」と言わせ、永遠に愛され続けている最大の理由でしょう。
*1 「オバケ?」p.29、p.68:オバケ研究所編、ブルーシープ、2024
*2 「幼児期における恐怖対象の発達的変化」p.131:富田昌平ほか、三重大学教育学部研究紀要(第68巻)教育科学、2017
*3 「幼児はお化けをどのように認識しているのか?」p.316:富田昌平ほか、三重大学教育学部研究紀要(第71巻)教育科学、2020